【初心者でも分かる】アニメ映画「HELLO WORLD」を映画館で観てきた感想・考察・あらすじ解説と評価!~ネタバレ~

 劇場で映画「HELLO WORLD」を見てきたので、そのストーリー、感想、解説、そして考察を書いていきたいと思います!

 

ネタバレを含みます!

 

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【この記事の目次】

 

 

 

ストーリー全体の概要

 

舞台は2027年の京都、気弱な主人公、堅書直美は、ある出来事をきっかけに不思議な男と出会います。

 

その男は、

・この世界が「クロニクル京都」という大規模プロジェクトによって記録されたデータ世界であること

 

・彼は2037年の現実世界から、そのプロジェクトの根幹となった量子記憶装置「アルタラ」にアクセスして潜ってきた直美自身であること

 

・直美が付き合うことになるクラスメイトの少女「一行瑠璃」は、付き合ってすぐの花火大会で落雷によって命を落としてしまうこと

 

を告げます。

 

以下、2037年の直美は、「ナオミ」と表記します。

 

ナオミは、2027年Ver.一行瑠璃に降りかかる落雷を回避させ、記録世界を書き換えて、2037年Ver.一行瑠璃が生存している世界に帰るために来たというのです。

 

呑み込みの早い直美は、ナオミに協力することを伝え、彼がもっていた、これから直美に起こる出来事を記した「最強マニュアル」の通りに行動することで、一行瑠璃と付き合うことに成功します。

 

また、直美は一方で、ナオミの連れの、カラスの姿をした何でも生み出すことのできる超道具「グッドデザイン」の鍛錬もしていました。

 

そして迎えた「宇治川花火大会」当日、直美は瑠璃を花火大会に誘わず、落雷を回避しようとしましたが、記録の改編を感知したシステムにより、花火大会の場に強制的に二人が送られることで、万事休すと思われたのですが…

 

直美が鍛錬してきたグッドデザインの成果で、ブラックホールを生成することに成功し、見事落雷を次元の彼方に送りとばすことに成功します。

 

 

見事一行瑠璃を救うことに成功した直美とナオミ。

しかし、ナオミには隠している事実がありました、それは、2037年の瑠璃は死んでいるのではなく、脳死であるということです。

 

植物状態の瑠璃を再び動けるようにするには、直美との恋を経て2037年Ver.瑠璃と同じ精神状態になった瑠璃の中身が必要だったというのです。

 

データである2027年Ver.瑠璃は、ナオミらによって奪われ、2037年Ver.瑠璃の「器」に「同調」します。

 

そして目を覚ました瑠璃は、目の前にナオミがいることに一時安堵しますが、すぐに本物でないことを悟り、ナオミを拒絶するのでした。

 

2037年の「クロニクル京都」プロジェクトチームの長である、千古教授は、アルタラの一部に欠損があることに気づき、影響が最小限ですむよう、「リカバリー」を実行することとします。

 

このコマンドを実行することは、2027年の記録世界がいったん消去され、再構築される、つまり、2027年にいる直美が「死ぬ」ことを意味します。

 

一方全てを失った直美は、世界が消去されていくさまに絶望しますが、世界崩壊のさなか1つの穴を発見し、そこに入り、味方を名乗るあのカラス「グッドデザイン」に会うことで一抹の希望を手に入れることとなりました。

 

2037年Ver.瑠璃に拒絶されたナオミは、深く絶望しますが、直後、システム警備員、つまり「狐面」が現れます。

 

ナオミはこの2037年も記録世界であることを悟ります。そこに現れたのがグッドデザインを再び手に入れた直美でした。

2037年Ver.瑠璃が受け入れているのもまた「直美」であり、彼は瑠璃を連れて病院を抜け出します。

 

直美は、瑠璃を元の世界に帰すため京都駅を目指し、自分の罪を悟ったナオミのサポートもあり、瑠璃をなんとか元の世界に返すことに成功します。

 

しかし、直美が戻る前にゲートは破壊されてしまい、直美とナオミは、束となって襲いかかってくる狐面に苦戦します。

 

しかし、ナオミが、自分を犠牲にしてくれと申し出、結果的にナオミは死んでしまいます。

 

それと同時に、千古博士によってアルタラの自己修復システムが停止され、二つの事象が重なったことでデータのビックバンが起きます。

 

 

そして気がつくと、直美と瑠璃は京都駅にいました。

 

お互いにキスをし、新しく誕生した世界で生きる決意をする二人のシーンが印象的に描かれました。

 

ですが、本当の結末は違ったのです。

 

ナオミが目を覚ますと、そこには研究者風情の瑠璃がいました。

 

瑠璃が一言、「器と中身の同調が必要だったのです。」

 

そして、2047年の月面でその会話が交わされたことが描かれ、本当のラストを迎えるのでした。

 

感想

 

トイレに行きたすぎた。

 

 

直前にコーヒーを飲み過ぎたせいで、ラストあたりが一番キツかった。

 

 

 

 

…ってそんなこたぁどうでも良くて、感想ですね!!

 

一言で表すならば、

「理解できる人からすれば超大作だけど、さっぱりな人はおいて行かれたまま終わる。」

 

です!

何せストーリーが二転三転するため、「シュタインズ・ゲート」を初めとしたセカイ系SFを見慣れていないと初見ではかなりキツいかも…

 

ただ個人的に評価が高かったのが、この作品は、「インターステラー」のように、SFマニアのみを対象にしている感じがしなかったことです。

SF初心者でも、一行瑠璃のかわいさや、伊藤智彦監督のスピード感あふれる演出でお腹いっぱいになることができる作品であるという点で良作といえるでしょう。

追記:2019年9月26日 SF初心者でこの作品を未視聴の友人と2回目観てきました。終わった後、「なんかむずいけど雰囲気ええし感動したわぁ」と言ってました)

 

 

一行さん!!もっと出番あっても良かったんじゃない!!??

 

伊藤監督はやはり演出が上手いですね。

ソードアート・オンライン オーディナルスケール」で名高い彼ですが、さらにファンからの評判は上がると思います。

 

あと、所々に過去作品へのリスペクトが垣間見えたかな。

具体的に覚えてないんですけど、ソードアート・オンラインの「リンクスタート!」のシーンがありました。

 

音楽の入れ方とかは、「君の名は。」を少し参考にしていましたね。特に、official髭男Dismの「イエスタデイ」が入るタイミングは似てました。

 

 

アルタラのシステム警備員として「狐面」が登場しますが、あれって明らかに「サマーウォーズ」のラブマシーンを初めとしたオズの住人たちをリスペクトしてませんか?

データ世界においてあのようなエキセントリックな存在を登場させる手法は、どこか懐かしさを感じるものでした。

 

 

 

私たちが現実と認識している世界も、もしかしたら仮想世界、つまりシュミレートされた世界にすぎない可能性だってあります。

 

この物語は、記録世界側から話がスタートしているのがミソです。

 

 

例えば、「ソードアート・オンライン」では、アインクラッドをナーヴギアによって構築された仮想世界としておきながら、ログアウト不可にすることでその世界を「現実化」しています。

ゲームの死=現実の死、という設定が、強制的にSAOプレイヤー達にそこを現実と認識させる材料となったのです。

 

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話を「HELLO WORLD」に戻しましょう。

「高度に発展した科学は、魔法と区別がつかない」という言葉があります。

高度に発展した科学==アルタラ

は、

魔法==2027年京都と2037年京都

を生成しており、その中で生活しているデータの住人たちは、そこを現実と認識しています。

記録世界側の住人は、そこをデータと認識することは不可能に近いのです

 

私たちの世界にだって当てはまりませんか??

 

この世界を、圧倒的解像度で構築されたデータ世界であるととらえても何ら不思議はありません。

ここをいくら現実だと思い込んだところで、それが現実であることを証明する手立てもないのですから。

 

 

 

 

難しいシーンを解説

①2037年Ver.ナオミは、なぜ直美を裏切ったのか

大前提として、ナオミが隠していた事実がありましたね、それは、2037年Ver.瑠璃は植物状態であることです。

 

ナオミは、量子記憶装置「アルタラ」に記録された2027年にいる瑠璃の精神、つまり中身を、寝たきりの瑠璃という「器」に放り込むことによって、再び瑠璃が立ち上がると考えたのです。

 

しかし、その「瑠璃の中身」は、「直美と恋愛をした」瑠璃でないと、2037年Ver.瑠璃に「瑠璃の中身」を放り込んでも、ナオミが愛した瑠璃とは齟齬が生じます。

 

だから、2027年Ver.直美と付き合うように仕向けてから奪い去る、という形をとったのです。

 

 

②2037年の瑠璃が狐面に襲われた理由

まず、ナオミにとって痛恨事だったのは、2037年京都もまた、アルタラに記録された世界にすぎなかったということを認識していなかったことです。

 

過去の瑠璃の精神を2037年Ver.瑠璃に持ち込むことは、記録世界においてはデータの改変を意味します、そうなると当然、システム警備員の狐面がバグ的存在である瑠璃を排除しようと動き出すわけです。

 

③ナオミと直美が狐面に襲われた理由

2037年京都も記録世界であるため、当然システムが働きます。

 

システム側からすれば、同じアドレスを持つ、つまり二人いるはずのない同一人物の堅書が同時にいるので、排除しようとするのです。

 

ついでに、ナオミが直美に「自分を消せ」と言ったのは、アドレスの重複を解除することで、バグ排除の動きを止めるためです。

 

考察

①ラストの2047年も記録世界である可能性はあるのか。

これに関しては、その後の描写がないため断定はできませんが、おそらくその後に「狐面」が現れるという後日談的なものは無いです。

なので、そこはバグが許される世界、つまり「現実」であると結論づけられます。

 

なぜラストで舞台を月面にしたのかはよく分かりませんが、科学が発達していることの象徴として、もしくはナオミ→瑠璃の救出が地球で行われていたので、瑠璃→ナオミの救出は月面、という対立構造を明確にするためかもしれませんね。

 

②ナオミが2027年の記録世界に居るとき、システムから排除されなかった理由。

これは少し妙です。2027年の世界において、ナオミは完全に「いるはずのないもの」であり、消去すべき「バグ」です。

実際、物語の序盤でバス停の直美を見ていたナオミが、「狐面」に目を付けられているような描写がありました。

 

 

ただ、結論から言うと、アバターVer.ナオミは、「狐面」からは見えていません。

 

実際、花火大会に行かなかった直美たちを転送しようと大量の狐面が押し寄せるシーンでも、サポート役のナオミはロックオンされていませんでしたし。

なので、狐面に襲われることも消されることもなかったのでしょうね。

 

そうは言っても、システム側の存在である「狐面」から、アバターVer.ナオミが観測できないというのはどうも合理性に欠けますが。

(追記2019年9月26日:やはりナオミは狐面に観測されているかも。アバターの姿で潜り込んでいるカラス瑠璃と大人ナオミは、そもそもアドレスの重複といったバグ要素なり得ない可能性がある。物理権限を有さず傍観するしかない彼らは記録にすら残らないから排除する必要すらなかった?ツイッターアカウントは同一人物でも無限に作れますよね?あれとちょっと似てます!)

 

 

③今作はハッピーエンドといえるのか。

完全にハッピーエンドですね、2027年Ver.の直美と瑠璃は、「アルタラ」が千古博士の手で人間の手から解放されたことによって生じた「新世界」に飛ぶことに成功しています。

その新世界は、アルタラのシステムは機能しない、つまり「現実」であると言えるのです。

 

また、2037年Ver.のナオミも、精神は2047年世界に飛ぶことが出来ているため、最後には瑠璃に会うことが出来ています。

しかも、そこは正真正銘「現実」です。

 

二人の堅書は、どちらも「現実」に到達することができたのです。

この結末は、「シュタインズ・ゲート」で主人公の岡部が、理想の世界である「シュタインズゲート世界線」を目指し、結果的に到達できるという結末と似ていますね。

 

 

追記:④なぜ古本市は狐面によって阻止されなかったのか?

2回目の鑑賞後に生じた疑問点です。

 

本来2027年の記録世界では起こりえない事象(イベント)である古本市。なぜ決行できたのでしょう。狐面がゾロゾロ出てきてもおかしくない場面ですよね?

 

古本市も、もちろん作品を盛り上げるために作られたポイントなので本来は突っ込むべきでないのでしょうが、あえて突っ込みます

 

理由をこじつけで作るなら、もしかしたら人の生命に関わる事象(落雷など)以外は見過ごす性質をアルタラを制御する母コンピューターがもっている、といった所でしょうか?

 

そもそも2037年Ver.ナオミに会っている地点で直美の行動は変化しており、その行動それぞれもシステム(=狐面)に突っ込まれてもおかしくないのですが、狐面は出現していませんよね?これも上記の理由で辻褄が合います。

 

 

最後に

かなりハード系なSF映画の「HELLO WORLD

 

SF×青春×京都」の絶妙なマッチングがクセになる一作でした!

 

私はドンピシャでしたが、人によってかなり好みが分かれそうですね。

何度もみれば完璧に理解できると思うのですが、一回だけじゃねぇ、、

 

ただ、しばらくこれを超えるアニメ映画は登場しないのではないかと思います。

 

君の名は。」→「聲の形」→「天気の子」と来て、「HELLO WORLD」でうまく区切りをつけた印象でしたね。

 

過去作品の良い点をうまく取り入れ、なおかつ独自性を持たせたストーリーと演出には言葉も出ません。

まだ公開されたばかりですが、どうかこの作品が伸びることを願っています、、、

 

では今回はここら辺で…

 

以上、「【感想・解説・考察】アニメ映画「HELLO WORLD」を映画館で観てきたレビュー!~ハード系SF~」でした!

 

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